職場で部下の女の子が僕に言うわけです。
「ちょっと、ファミチキ買ってきてもらっていいっすか。
今日わたしカレーなんです、おかず無しの。」
いやいやいや(^^;)
「っすか」じゃないだろ、「ですか」だろ。
というよりも。
カレーにおかずはいらんでしょ。
え、嘘でしょ?僕んちだけじゃないよね。
カレーの概念が違う、そういうことなのだろうか。
「カレーにおかずは当たり前」と思う彼女に対し、
「カレーはカレー単品としてただただカレーなのである」
というこの僕の考え方自体が、家族という人間社会の中で最小単位の社会生活の営みの中で生み出された幻想なのだろうか。
つまり彼女は僕のこの数十年間の生き様までも否定しようということなのだろうか。
お前の育ってきた環境が間違っている、
お前の母親の言っていたことが間違っている、
お前の母ちゃんでべそ。
というよりも。
ヒエラルキーの頂点に君臨するおれ様にそもそも命令することがおかしい。
動物界で言うところのライオンとシマウマ。
虫界で言うところのカブトムシとアリ。
アリ界で言うところのディノハリアリとコツノアリ。
この格差を認識しているのかと。
んー、もとい。嘘つきました。
僕中間管理職。
ヒエラルキーの真ん中くらいにいるこの僕に!
腹が立つ。
何が立つか。おちんちんじゃない。茶柱でもない。
いや、おちんちんは立っている。
でも違う。何が立っているのか。
そうなのだ、何を隠そう腹が立っているのだ。
でも僕は上司で大人である。彼女のそんな一言で気分を害することもない。
さあ、彼女の顔を改めて良く見てみよう。
反省しているだろう。
こともあろうにいつもお世話になっている上司に。
敬語も疎かにしつつ、人生まで否定し、おまけに命令までしちゃって。
もう本当にごめんなさい。
彼女の涙ぐむその顔を想像し、気持ち穏やかに彼女の顔を眺める。
薄っすら微笑みを浮かべ、僕を虫けらのように見下す彼女がそこにいた。
ガッデム。シット。
僕の何が立っている。
腹に決まっているだろう。腹が立っているのだ。
「ちょっと、ファミチキ買ってきてもらっていいっすか。
今日わたしカレーなんです、おかず無しの。」
「買ってきました!ファミチキ!」と、僕は部下にファミチキを手渡した。
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