【伝説】ストーカー実況中継

この話は2002年の2/10から2/14にかけておきた事件の日記をまとめたものです。 

かなりの長編ですが反響のあったテキストでもございますのでごゆっくりお読みください。 この話を読む方はまずは以下のテキストを読んでください。

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 2/10 

実はこの日記を書きながらも体が震えております。ガタガタ震えております。

その真相を書こうと思います。 


今朝、起きると見たことのない携帯番号から着信がありました。 

ちょっと不信に思いながらも電話に出ることにしました。

電話を出たのは・・・ 

なんとなく聞き覚えのある声・・・

 微かに蘇る記憶・・・

 いや、ありえない・・・ 

決して忘れることのないあの声。

信じたくなかったがやはりあの声だった。 


「久しぶり、Kだよ覚えてる?」 

彼女から電話がかかってくることなどありえないと思っていました。 

当時の彼女の番号は念のため着信拒否にしていましたし、あの事件からもう1年も経つのですから。 

おれ「うん、覚えてるよ・・・なんで電話してきたの?」 

K「あのね、私東京に引越して来たの、それでもうそろそろバレンタインだから電話したの」 

おれ「用はそれだけ?ちょっと用事あるから電話切っていい?」

K「ちょっと待ってよ、まだあのときのこと怒ってるの?」 

おれ「怒ってるっていうかもうまじでどうでもいいことだから」

K「あのね、会ってもらえるかな。もうあのときの私とは違うよ」

おれ「いや、それは無理。会いたくないもん」 

K「私をちゃんと見て欲しいの!今度こそMチカくんを振り向かせる自信がある」

おれ「だからもうそういう問題じゃないんよ、会えないものは会えない。」

K「こんなこと言うとあれかもしれないけど怖いんでしょ?」 

おれ「へ?何が?」 

K「実はあの後から私のこと気に掛かってたんでしょ? 会って好きになっちゃうのが怖いんでしょ?」 


この人頭弱すぎです(マジ涙 

自分大好きなんでしょうね・・・ 


頼むから永遠におれの前から消えてくれ、お前を刺し殺してニュースに顔写真が出るのは嫌なんだ。

おれ「んなはずないじゃん。はっきり言ってどっちかっていうと嫌いだよ、 好きになんかなるはずないじゃん」

K「それだったら会えるわよね」 

おれ「だからもう一生会いたくないんよ、電話切るよ」 

プチッ・・・・ 








ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる 





おれ「もしもし・・・・」 

K「なんで電話切るの?私がなプチ 


おれは携帯を着信拒否設定した。


それから数回、携帯に着信があったが拒否設定をしていたので着信音が鳴ることはなか






ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる 



 家の電話が鳴り響く・・・ 


そうだった。

1年前、彼女は1ヶ月かけてタウンワークからおれの番号を調べあげていたのだった。


おれ「もしもし、いったいなんなの?おれが嫌ってるのわかるっしょ?」

K「とにかく会って欲しいの。絶対に今度は私のこと好きになってくれるはずだから」


 この人無駄にキチガイです 。


K「とにかく一度だけでいいから会って。会ってくれるまで家の電話にかけ続けるよ、成長した私を見てほしいの」


 たしかに彼女は1年前よりも大きく成長していた。



 おれ「わかった、それじゃ一回だけ会う。いつどこで会うの?」

 K「バレンタインの日は空いてる?」 

おれ「バレンタインは嫌だ」

 K「それじゃあ明後日、○○に2時に来れる?」 

おれ「分かった、んじゃ明後日ね・・・」 


また・・・ 

またあの悪夢が始まるのだろうか・・・

 いや、今回は違う。

今回は奴がどんな人間かをしっかりと把握している。

おれは自分の身を守るため 悪魔にでもなろう 。



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2/11 

おれは昨日の日記で言いました。 

おれは自分の身を守るために悪魔にでもなろう。と。

昨日から今日にかけて頂いた多数のメールをいただきました。


あるメール 

>Mチカさんをつきまとっているその彼女は、かなり手強いようですね。

 >私が思うに、会わない方がいいと思います。会ってしまうと、

 >「なんだかんだ言ってもMチカさん優しいし、ホントは私と会いたいんだよね」

 >なーんて、またまた誤解されちゃいますよ!!! いいんですか!?

 >去年のバレンタインは大量のクリップと豆粒のようなチョコレートを 

>もらったんですよね?今年は画鋲かもしれませんよ?(爆) 

>今年ケリをつけないと、来年も再来年もつきまとわれますよ!!


 あるメール

 >すごいことになってますね・・・

 >Mチカさんは彼女のことをなんとも思ってないわけですから 

>ネタとしておおいに活用して頂きたいです。 


あるメール

 >大変失礼かと思いますが日記を見て爆笑してしまいました。

 >彼女にこのサイト見つかったら殺されるんじゃないですかね(汗


 あるメール

 >これからの動向がものすごく気になります(爆爆 

*全て一部のみ引用、頂いたメール全てを載せているわけではありませんのでご了承ください。 

 また掲載に際し、許可をいただいています。



最近ではめっきりメールが減ってきていたのですが昨日今日で多数のメールを頂きました。

なんだか皆様人の不幸を見るのが大好きな模様。 

おれも大好きですが、自分の身にふりかかることは想定していなかったです。


ですが、このMチカ伝説を介し、これからおれの身に起こる出来事を皆さまにつぶさに報告していこうと思います。

どのような結末が待っているかはおれにもわかりません。

明日にでもサクッと決着がついてしまう可能性も十分にありますし、それこそネタになるようなことは何も起きないかもしれない。

いや、起きて欲しくない。

彼女からは十分に消えることのない思い出をもらったし、正直お腹いっぱい。


でもなんでだろう?


何かが起こる予感しかしない。


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 2/12(午前2時) 

正直、彼女とは二度と会いたいとは思いません。 

それでも皆さまからも多数の反響をいただいており、逃げずにKと会いたいと思う。


昨年のKとのやり取りを知っている友人にも

 「お前あのときにはあんなに悩んでたのに大丈夫なの?」 なんて言われたくらいです。

ですが・・・ 

一肌脱いでやろうじゃね~か!(全裸になりながら)


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2/12(午前11時)

 起きました。とてもステキな方からのモーニングコールでございました。

ステキ過ぎるあまりにおれの耳がおかしくなりそうです。

 K「おはよう、起きてた? 2時に待ってるからね」 

 

行くのが実はけっこう怖いです。 

しかしおれは行かなければならないであろう。

 彼女への恐怖心で怯える毎日よりも、一瞬の地獄を選びます。

その先にはきっと幸せが待っているのだから。


 いえ、現実世界での幸福ですよ?

天国ではありませんから。断じて。


もう少しで出陣の時間です。


もしものときに備え、頭の中で何度もシミュレーションをしています。


待ち合わせ場所に着いたのは2時5分前。 

足がガクガク震えている。 

1分、1秒がとても長く感じる。

 向こうからダークなオーラを身にまとった女性がこちらを凝視して歩いてくる。

 すると突然彼女が走り出す。 

きーーーーーーーーーーーーー 

彼女は叫びながら背中から10時間はかけて研いだと思われる包丁を取り出しさっそうとおれに切りかかる。

おれは安堵していた。

 何故ならおれの服の下には少年ジャンプが二冊も入っているからだ。

シミュレーションを怠らなかった僕の勝利です。

 しかし、そう世の中甘くはないのである。

 彼女が切りかかったのはおれの背中であった。

 ドス 

おれは余りの痛みに叫びながら逃げようとする。

しかし足がガクガク震えて逃げられない。

おまけに靴紐がほどけて近くの公共物に絡まり身動きがとれない。

 地面にうずくまるおれを笑みを浮かべてKが見下ろす。 

おれは彼女の心の中で永遠に生き続けたのである。 



こんなの嫌です。 

ジャンプだ。背中にもジャンプが必要だ。

靴は紐じゃないタイプのにしよう。

今度こそ万全です。

それでは行って参ります。 

今日か明日までに更新されていなかったらおれはサイト管理人ではなくなっているということです。人間でもなくなってると思います。 そしたらごめんね、お父さん、お母さん。今までありがとう。


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 2/12(午後20時)

 ありえません。 まじでありえません。 Kが何故か地元に来ています。 

事の経緯をお話いたします。

おれは今日Kと2時に待ち合わせをしていました。 

そして待ち合わせ場所には・・・


 おれはいなかったのです。

一番の理由は電車遅延で、20分程度遅れていたことがあげられる。

電車の中で遅延を告げる放送が流れると、よこしまな感情がおれを支配する。

正直だりー。行く意味ないじゃん。こえーし。

彼女にも「やっぱり会えない、もう連絡よこさないで」 

とメールを送っておきました。 

そして数時間経っても彼女からの連絡はなかったので安堵していました。

世の中そんなに甘くはありませんでした。 

漫画のようにキレイにお話は終わらないのです。

これは現実です。


つい10分ほど前に携帯電話が鳴り響きました。

その音はなんともむなしくこれから訪れる恐怖を暗示しているかのようでした。

K「なんで来てくれなかったの?」 

おれ「ちゃんとメール入れといただろ、もうKとは会いたくないんだよ」 

K「なんでなの?ねぇ、なんで?ちゃんと約束したよね?」

 おれ「だからお前が嫌いなの、会いたくないの!」

 K「何言ってるの?だって会ってくれないと私を愛してくれるかどうかなんてわからないでしょ?」 

1年前と言ってること一緒だよ。

頼むから彼女がおれと会う前の記憶まで戻してください。 


K「今ね、T駅にいるよ」 

あれれ?なんだか僕の聞き覚えのある駅なの。

 うん、僕の家の近くの駅です。

あはは。あは。


K「これからMチカくんの家に向かうね」

おれ「ま、待って!! 駅前にロッテリアあるでしょ?おれが行くから待ってて!!」

 現在こんな状況でございます。

こうなったらとりあえず行ってきます。

 今度こそ、さようさら。

今度生まれ変わるときはムキムキのキムタクにしてね。


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 2/13(午後0時)

 メール等で心配なさってくれた方々、ありがとうございます。

 どうにか生きて帰ることができました。 

あの後おれがどうなったのかを綴らせて頂きます。 


おれは地元の駅であるT駅へと向かった。 

車を走らせながら悩んでいました。 

どうやって彼女に理解を求めよう?

 駅に着いたおれはロッテリアに入るのを10分ほど躊躇した。

 外から店の窓を覗くといました。

おれの胃痛の張本人Kは孤高のオーラを発し、ただただそこにいた。 

崇高な気配漂う彼女の趣はまさしく、悪魔。その堂々たる風格はおれへの死の予感を20倍にも30倍にもするだけの重みがありました。

一生分の勇気を振り絞り彼女の下へと歩んだ。


ん?三つ編み?

よく見ると彼女は三つ編みだった。

なんだろう。

その三つ編みは髪の毛を三つに束ね、入念に、1本の毛も逃すまいとして完璧に束ねられ、さらにその三つの束のバランスは寸分違わず、1本の誤差も許さないそのバランス感覚から生み出された他の三つ編みとは一線を画す、そういう普通に三つ編みでした。

 おれ「よう」

 K「遅かったね、今日なんで来てくれなかったの?」

 おれ「さっきも言ったじゃん、Kとは二度と会いたくないんよ」

 K「でもこうやって二人はまた巡り会えたもんね」


巡ってねーし、強制的に徴兵されただけだし。


 おれ「Kがおれんちに来るなんて言うから仕方なく来たんだよ。来たくて来たわけじゃない。おれがKを嫌いなのはわかってるよね? 早く帰ってくれないかな?」

 K「なんでそういうこと言うの?まだ私のことなんにも知らないじゃない。 去年の私から成長したんだよ、Mチカくんのために」

 おれ「成長したならなんでおれんちまで来ようとするんだよ、それじゃあストーカーだって前にも言ったよな?」

K「だって今日しか会えないって言うから・・・」 

おれ「いや、もう一生会えないから」  

K「だからなんでそういうこと言うの? 私のどこがいけないの?Mチカくんのこと好きなんだよ?」

 おれ「いやいや、そこら辺の考え方がおかしいわけよ。 Kが会いたくてもおれは会いたくないの。 おれのことが好きならなんでおれが不快になってるのに平気なん? 自分のことしか考えてないからそういうことになるんだろ? 去年とまったく変わってないじゃん。まあ変わってても付き合わないけど」 

K「まだ分からないでしょ?私のこともっと知ってよ」 

おれ「どうせ話にもならないから帰ってくれないかな?」 

K「今日はMチカくんと一緒にいるって決めてるの、もう去年の私じゃない、帰らない」 


おれ「まじおかしいんじゃない? なんでそういう自分勝手で人困らせることしか言えないん?」

K「Mチカくんこそ少し変なんだよ。 なんで私がこんなに言ってるのに受け入れてくれないの?」


 ぷち (頭の筋が2、3本ね) 


おれ「もの事には限度ってもんがあんだよ。 Kの言ってることはその限度ってもんを超えてんだよ。 早く帰れよ。一生おれに連絡とかすんなよ」 

K「いや、だってMチカくんのこと愛してるもん」

 おれ「おれは帰る、うちに来たら警察呼ぶからな」 

K「そしたら明日の朝までここら辺にいる。ずっと待ってる。 凍傷とかで死んじゃったら私のこと少しは考えてくれる?」 

 凍傷とかで死んじゃったらカチンコチンに凍ったKをアスタラビスタベイベーって言ってライフルで打つし。そして粉々になったカチンコチンの肉片を豚の餌にしてやるのさ。

二度とこの世にKの肉片が浮かび上がらないようにね。 


おれ「馬鹿じゃないの?」 

K「え?なんで?」 

おれ「そんなガキが親に気を引くみたいなことして楽しいの? もうくだらないこと言ってないで早く帰れよ」 

K「なんで分かってくれないのよ。おかしいよ・・・」

おれ「何がおかしいんだよ。とにかくもうちょっとで終電だろ? 早く帰ってくれないかな?おれだって暇じゃないんだけど」

K「今日は忙しいってこと?また会ってくれる?」

おれ「何度言ったらわかるの?Kとは一生会わないの!」 

K「じゃあ、帰らない」 

おれ「おれは帰る、お前がここにまだいるってんなら勝手にすればいいけど、 余計にKとは会わないからな。まあどっちにしても会うつもりはないけど」 

K「わかった、帰る・・・・、でもこれだけもらって帰って」 

こんな感じでようやく帰ることができたのです。

 実はもらったものもまだ手を加えておりません。

 何故ならば明日友人と一緒に中身を見ようと思っているのです。 

よって中身の結果報告は明日になるかと思います。 

本当は捨ててしまいたいのですが。

そして全てが終わった。





かに思えた。



ぷるるる、ぷるるる 




はっはっはっはっは 勘弁してください・・・・ 。

ここからはさっきの出来事でまだテキストにしておりません。

とりあえずまた更新します。 


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2/14(午後14時)

ぷるるる、ぷるるる 


人間というのは経験によって成長し、理性を兼ね備えることにより社会が成り立っているのである。 

おれは、そしてKは今、20歳である。

 20年という月日を費やしおれは経験してきた。 

様々な失敗を経験し、おれは気付いた。 

ときに人間は諦めなければならないということ。 

ときに人間にはしてはならないことがあること。 

ときに人間には我慢が必要なこと。 

おれは様々なことを学び、この20年間を過ごしてきた。


じゃあなんでこの女は猿のように理解を示さずに同じことを繰り返すんだ。


K「電話しちゃった♪」 





 ぷちっ 



ほっほ~い、 モンスターと話すことなんてないもん。

気付いてみると今日は2月14日。

 なんて不幸なバレンタインを過ごしていんだろう。

 今晩、最終章。 Kからもらったものはなんなのだろう?(おれもまだ開けてません) 

そして最後にかかってきた(たぶん最後)Kからの電話の内容とは。 


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最終章 

電話を切ったもののその夜Kからの連絡はなかった。 

不思議な静けさである。 

最後の晩餐のごとく静かなおれの部屋の空間でおれは考えた。 

何かがくる。

そして来た。 

そう、今日はバレンタイン。

おれはこんなことで悩んでサイトばっかり更新してていいのか?

おれはこんなところでくすぶってるような男なのか?

否である(はずである) 

今日はというと天使のような美女が現れて  

「Mチカ様に全てを捧げます。心もおっぱいもお尻も全部」 ってな日であるのです。 

なんでそんな日におれはこんなことで悩んでいるのだ。

そして思っていた通り午後になるとKから電話があった。  


K「もしもし、お願いだから電話切らないで聞いて!」

おれ「何?」 

K「私があげたプレゼント見てくれた?」 

おれ「まだ見てないけど・・・」 

K「そっか、気持ち聞きたいなって思って」 

おれ「んじゃ気持ちはメールで伝えるよ、んじゃね」 


友人と見るはずの中身でしたがここで開けることになりました。 

皆様は覚えているでしょうか。

去年彼女からもらったものを。

掲示板やメールでこの中身の予想をしてくれた方々がおりました。 

その中でも最も多かったのが画鋲でした。

ですが皆様の答えは全て間違っておりました。 

おれは自分のことをけっこう強い人間だと思っていました。 

でも負けました。 

彼女は永遠におれの思い出の中で生きるでしょう。

おれの思い出の40%くらいの域を陣取って一生付きまとってくるでしょう。 

去年彼女から頂いたものは豆粒のようなチョコ3つと数千個のクリップであった。 

今回のものはある意味まともでもあった。  

少なくとも彼女のいわんとしていることがわかる類のものであったことは確かである。  

だからこそ彼女に本当に感謝しようと思う。 


 ありがとう。

 50個もの指輪を敷き詰めたバレンタインチョコをくれてありがとう。


 指輪はプラスチック製のもので恐らく100均かなんかで買ったものなのでしょう。

 どれにもプラスチックっぽいダイアモンドがちりばめられておりました。

 敷き詰められた指輪に乗っかっていたのは普通の手作りチョコ。


 サイコロの形をしていることを除いては。


  何故にサイコロの形かはほんとに謎です。 

 しかし何故かサイコロなのです。

 あまりネタになることでもないです。  

何故だかサイコロなのです。

理由は彼女にしか分からないのでしょう。

いや、絶対にわかりたくない 。


注目すべきは手紙だ。


Mチカくんへ

今日は会ってくれてありがとう。 去年から1年も経っているけどやっぱり好きです。 この気持ちはどうしようもないです。 Mチカくんが応えてくれるまで諦めるつもりはないよ。  Mチカくんはまだ私のこと全部知らないから私を好きになれないんだと思うの。 だからもっともっと知って欲しいの。 あのさ、Mチカくんは私のことを知りたくないって言うけどなんでそんな無責任になれるの? 私がこんなにMチカくんのこと愛しているのにどうして少しも愛そうとしてくれないの? それじゃあどんなにがんばったって私の入る余地なんてないよね? だってMチカくんがちゃんと私を見てくれれば絶対に愛してくれるはずなんだよ。 お願いだからこれからは私だけを見つめていて欲しい。

 P.S 去年は飾りにクリップ入れたらあんまり気に入ってなかったから今年は 私の気持ちももっと分かるし指輪にしてみたよ。 チョコ食べてね。 



何よりも驚くべきことは、彼女が1年前と寸分変わらないということです。

1年前の手紙と読み比べてみても言っていること、やっていること、何もかもが変わらないのです。


唯一変貌を遂げたのは彼女のPERFECT MITSUAMIくらいなものです。

 

ここまできてなんだかおれの中で気持ちの変化がありました。

1年前の出来事、それから今回の出来事を経て、少しづつではありますが、彼女のことが分かってきたというか。サイコで何をしでかすかわからないというのが一番怖いですが、どうやら彼女はそうでもないらしい。一辺倒に同じ理屈を並べて、とにかくわたしのことを知ってくれたら分かるの連呼。

ストーカー気質っぽくこちらの都合も考えずに大量にメールは送ってくるし、実家にまでやってくる。でも、人に危害を与えたりだとか、嫌がらせをしたりだとか、そういうところの分別みたいなもんは備わっている、そんな気がするのです。

となるとこちらに怖いものなんてない。

Kは単に「かなり性格がねじ曲がった執拗に迫ってくる女」でしかないのである。


そのように考えているとなんだか、この手紙についても無性に腹が立ってくる。

なんでこのおれ様が無責任とかガタガタ言われなくちゃならないのか。

私だけを見つめてくれとかなんで微妙に命令口調なのか。

むしろ、ポジション的に優位なのはおれだろう。


そろそろ、奴に合わせなくてもいいでしょう。 

現実をしかと受け止めていただこうではないか。 

自分のしていることの罪深さをしっかりとね。


おれは彼女に電話した。 

K「もしもし、見てくれた?それなら私のことわかってくれた?」 

おれ「わかったよ、Kの気持ち悪い性格がな、 お前みたいな自分勝手な女はじめてだよ」 

K「え?」 

おれ「あのさぁ、世の中自分中心に回ってると思ってない? なんでKが愛したらおれも愛さなきゃならんの? 馬鹿じゃね~の」 

K「それは・・・・」 

おれ「もう一度ちゃんと言っておくけどなおれはKが嫌いなの。 その顔もその性格もな。去年も言ったような気がする。私のこともっと知ってくれればって言うけど 人間ってその人を知りたいと思わせるの大切じゃねぇの?お前は逆に知りたくもなんともないんだよ」 

K「じゃあ、知りたくなるように努力する」 

おれ「おい、おれが話してたこと聞いてたのか?そういうのが気持ち悪いって言ってるんだよ」     


おれ「でもな、ある意味でKおれの中で一生心に残るね。 嫌いな人間ナンバーワンの座はKにあげるよ」 

K「わかった、もう諦めるよ・・・・だから最後に会ってくれない?」 



いやぁぁぁぁ。



おれ「いや、だからもう一生会わないって。」  

K「一回会ったらもう会わないって言ってるんだからいいでしょ。一回会ったらそれでさよなら。」 


この世ともさようならだよね。


おれ「いや、まじで無理だから。おれ以外にもいい人いるって。」 

K「もうなんでもいいから一回会ってくれればいいの!」 


おれの人生なんでもいいで片付けないで欲しい(素)


おれ「これ以上話しても無駄だから会おうって言うならほんと警察とかと相談するよ。」

K「え?警察・・・それはダメ・・・」 

おれ「だったらほんと会うのはよそうよ、な?」 

K「そんなのって・・・」 

おれ「ほんとおれなんてチンケな人間だって。もういいだろ?」 

K「それはいや」 

おれ「んじゃあまじで警察呼ぼうよ。それじゃなきゃもう一生会わない」 


すると何やら彼女はぶつぶつおれの耳にも聞き取れないような声で呟きはじめた。

実際には2~3分くらいだと思うのだが、おれには10分くらいに感じた。

少しだけ聞き取れたのが「でも好き」「もう一度会えさえすれば」

「なんで」「なんでよ」「なんでなの」


それこそオウム返しのように言いたい。なんでだい?

少し経つとKは「うん」「そうだよね」みたいな、何かを覚悟したような雰囲気を醸し出し、一言呟いた。


K「わかった・・・もういいよ・・・バイバイ」 


 そう言って会話は終わった。  

案外あっけなく終わりましたがそれから1日半過ぎた今もKからの電話もメールもありません。 


しかし、正直まだ予断を許さない状況だと考えています。

また、改めて報告します。


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後日談

おれから数週間間が経ちましたが、Kからの連絡はありません。

おれは勝利したのか?

正直今はわかりません。


そして想うのである、もしも。もしもKがルーズソックスの可愛い女子高生だったらと。

「好き。わたしのこともっと知ったら好きになるはず」

そんなことを言われたらどう反応するだろうか。

「知らなくても君が好き。おれのこともっと知って!おれのおてぃんてぃん見てぇぇぇ!」


間違いないと思う。

しかし仮にそんなことがあったとしても返ってくる言葉は辛辣でしょう。

「嘘に決まってるだろ!キモ!ってかちんちん小さ!ミミズ!」


そう、女子高生はそんなこと言ってこない。

眩いばかりの彼女たちはそんなことを言わないのだ。


Kだから、Kだからおれにそんなことを言ってくるわけです。

Kにも女子高生の時代があったのでは?

否。Kは生まれたときから20歳の気持ち悪いKだったに違いない。

おれレベルのしょぼい男にそこまで寄り添う女なんてKしかいないのです。


とするとだ。

おれをここまで執拗に愛してくれる女性は後にも先にもKだったのではないだろうか。

Kは気持ち悪い。

そ、そういえば。

おれもすごい気持ち悪いじゃん。

Revival of Mチカ伝説

日記を読むとオナラがしたくなる。そんな日記があるのであろうか。いや、ない。そんな日記はない。ありそうだろう?本当はあるんじゃないだろうか?悩みに悩み抜いた真の探究者であるあなたにだけ真実をお伝えしよう。そんな日記はないのだよ。

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